フィールドエンジニアとは?製造装置の安定稼働を支える専門職の役割と重要性

製造現場では、機械や設備を点検・修理し、スムーズな稼働を保つ専門職が欠かせません。それが「フィールドエンジニア(FE)」です。
機械の故障は生産性の低下や大きな損失につながるため、フィールドエンジニアは定期的な保全を行い、トラブル発生時には迅速な対応を行います。IT・半導体・自動車・医療機器など、幅広い業界で需要は高まっており、将来性のある職種といえるでしょう。
この記事では、フィールドエンジニアの仕事内容や重要性、求められるスキル、そしてエンジニアの人材不足を解消するための方法について、最新動向を交えながらわかりやすく解説します。

フィールドエンジニア(FE)とは?仕事内容をわかりやすく解説

フィールドエンジニアとは、工場などの機械トラブルを未然に防ぎ、安全に稼働させるための点検・修理を行う仕事です。実際に顧客先や製造現場(フィールド)へ赴いてサービスを提供することから、フィールドエンジニアと呼ばれています。

フィールドエンジニアの基本的な仕事内容は、主に以下の4つです。

  • 1.

    保守:トラブル解決・サポート対応

  • 2.

    保全:点検・メンテナンス

  • 3.

    立ち上げ:機械・機器の設置とセットアップ

  • 4.

    営業支援:製品理解の促進

それぞれの仕事内容について、具体的に解説します。

保守|トラブル解決とサポート対応

フィールドエンジニアの業務でメインとなるのが、製造機械やロボットなどの製品にトラブルが発生した際の対応です。顧客のもとへ出向き、交換や修理、復旧作業などを行うことで、製品トラブルの解決を図ります。
トラブル対応は、単に故障した機器を修理するだけではありません。原因を突き止め、再発を防ぐための対策を考えることも、フィールドエンジニアの大切な仕事です。迅速かつ的確な対応により、顧客からの信頼を得ることで、エンジニア自身のやりがいにもつながっていきます。

保全|点検・メンテナンス

フィールドエンジニアは、顧客との契約にもとづき、定期点検などの保全を行います。
電子機器や製造機械は、適切な保全を行っていなければ、予期せぬ故障などトラブルが発生するリスクが高まります。フィールドエンジニアによる保全は、トラブルの発生を減らし、生産工程の安定化に貢献します。

立ち上げ|機械・機器の設置とセットアップ

フィールドエンジニアは、製造機械や機器を顧客先へ導入する際の設置・セットアップも担当します。設置場所の環境確認や配線、初期設定、動作確認などを行い、機械が正常に稼働する状態に整えます。
導入時のセットアップが適切に行われていなければ、稼働後にトラブルが発生しやすくなるため、丁寧な作業が不可欠です。あわせて、操作方法の指導を行うこともあり、顧客が円滑に製品を使い始められるようサポートする役割も担っています。

営業支援|製品理解の促進

フィールドエンジニアには、営業の技術的なサポートという役割もあります。自社製品に興味を持つ顧客に対して商品説明を行い、製品への理解を深めてもらうことで、導入や活用を後押しします。また、営業担当者に同行し、顧客に対して製品の技術的な説明を補足するなどの営業サポートの役割を担うことも増えています。そのため、製品に関する理解はもちろん、その特長や使い方をわかりやすく説明するスキルが求められます。

フィールドエンジニアと非常によく似た職種として「設備保全エンジニア」が挙げられます。どちらも機械の安定稼働を支える重要な技術職ですが、働く場所や対象となる設備などに細かな違いがあります。
設備保全エンジニアの具体的な仕事内容や、フィールドエンジニアとの違いについてさらに詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事もあわせてご覧ください。

フィールドエンジニアの重要な役割

工場のイラストが描かれたボックスが整列している図

どれほど優れた製造装置であっても、フィールドエンジニアによる適切な保全とサポートがなければ、設計通りの性能を継続して発揮することは難しくなります。ここからは、フィールドエンジニアが現場で果たす重要な役割について解説します。

装置の性能を維持・発揮させる

フィールドエンジニアは、定期的な点検や調整を行うことで、装置が設計通りの性能を発揮できる状態を維持します。
製造装置は、導入時の性能をそのまま発揮し続けることができるわけではありません。使用にともなう部品の劣化や、環境の変化などによって、徐々に性能が低下していくことがあります。製造現場の生産性を維持するためには、フィールドエンジニアによる継続的なサポートが欠かせません。

高度な専門知識とスキルで迅速にトラブルを解決する

フィールドエンジニアは、製品が正常に稼働できない状態になった際、生産活動への影響を最小限に抑えて対応する役割を担っています。
ヒアリングした情報をもとにトラブルの発生状況を把握し、原因をいち早く突き止めるには、担当する製品や分野の高度な知識が欠かせません。トラブル発生中は顧客の業務に支障が出るため、復旧作業にかけられる時間を把握し、迅速に対応することも求められます。

会社の信頼を支える

フィールドエンジニアは技術職でありながら、会社の顔として製品の信用を支える責任ある仕事です。
復旧の見通しが甘く、対応が大幅に長引いた場合には、会社としての対応品質が問われることもあります。一方で、機械の故障によって顧客が不信感を抱いている場合でも、的確に原因を突き止め、迅速に修理することで、信頼を回復できるケースも少なくありません。責任は大きいものの、その分だけ顧客から直接感謝の言葉をもらえるのも、この仕事の魅力です。

製造業における最新動向とフィールドエンジニア不足が招く影響

高度化する製造装置

近年の製造業では、生産設備のIoT化やAI技術の活用が急速に進んでいます。センサーで稼働状況をリアルタイムに把握したり、AIが故障の予兆を検知したりするなど、製造装置はかつてないスピードで高度化・複雑化しています。
こうした技術の進化は、生産性向上や品質安定化に大きく貢献する一方で、装置を扱う側にも高度な知識やスキルが求められるようになりました。従来の機械的な知識だけでなく、ネットワークやソフトウェア、データ活用に関する理解も欠かせない時代になっています。

深刻化するフィールドエンジニア不足

しかし、こうした先端技術に対応できるフィールドエンジニアの確保は、容易ではありません。労働人口の減少に加え、専門人材の育成には時間を要するため、需要に供給が追いついていないのが現状です。
人材が不足すると、トラブル発生時の対応が遅れ、生産ラインの停止が長期化するリスクが高まります。また、定期的な保全が行き届かなくなることで、予防できたはずのトラブルが増加し、稼働率の低下や納期遅延につながる可能性もあります。

フィールドエンジニアの確保が製造業の競争力を左右する

生産ラインが一時的に停止するだけでも、損失額は決して小さくありません。突発的な生産停止や、復旧の遅れによるリスクを考えれば、優れたフィールドエンジニアの確保は、長期的に見て不可欠といえるでしょう。
少子高齢化やグローバル競争が激化するなかで、技術力の高い人材をいかに確保・育成していくかが、製造業の大きな課題です。

今、フィールドエンジニアに求められる3つのスキルとは?

女性が工場で点検している様子

実際にフィールドエンジニアに求められているのは、技術職としての専門知識や経験だけではありません。ここからは、フィールドエンジニアに必要なスキルについて解説します。

コミュニケーション能力

フィールドエンジニアは、ほかの多くのエンジニア職種と異なり、顧客と直接コミュニケーションをとる職種です。顧客に寄り添いながら、困りごとや状況を把握し、解決を図っていくためには、コミュニケーション能力が欠かせません。
トラブル対応で顧客を訪問した際には、顧客の意図を汲み取りながら、状況を確認するヒアリング力も重要です。また、トラブルの原因や対処方法、復旧までの見込み時間などをわかりやすく説明する力も求められます。専門用語を並べるだけでなく、相手の立場に立って伝える力が重要です。

臨機応変な対応力

フィールドエンジニアには、常に平常心で顧客に接し、状況に応じて臨機応変に対応できるスキルが求められます。早期復旧を求められる場面でも、緊張や焦りを見せず、冷静に対応することが大切です。
作業時間が限られている、必要な物品がそろわないなど、通常とは異なる状況下でも、専門外の知識や工夫、同僚とのネットワークを使い、できる限りの対応が求められます。マニュアル通りとはいかないケースでも、粘り強く対処方法を探っていく姿勢は、フィールドエンジニアにとって欠かせない資質といえるでしょう。

継続的な学習姿勢

フィールドエンジニアには、日々進化する製造技術やIT・AI技術に対応できる知識を、継続的に身につけていく向上心も欠かせません。社内外の研修制度や勉強会を積極的に活用し、自身のスキルを高めていく意識が求められます。
担当する製品や技術は、年々アップデートされていきます。新しい知識を学び続ける姿勢を持つことで、変化の速い製造現場でも、長く必要とされる人材になれるでしょう。

フィールドエンジニアに必要な資格・経験

フィールドエンジニアになるために、必須となる資格は特にありません。ただし、以下のような資格を持っていると、業務に役立てられるでしょう。

  • 電気工事士
  • 機械設計技術者試験
  • 基本情報技術者
  • ITパスポート
  • マイクロソフト認定資格

フィールドエンジニアに有利となる経験もあります。
顧客とのコミュニケーションが重要な職種であるため、営業や販売職での顧客折衝や、クレーム対応の経験があれば役立てられるでしょう。また、生産工程に携わった経験があれば、設計や構造の知識を、製品の修理や問題点の発見に活用できます。

人材不足の解消へ|外部エンジニアリソースの戦略的活用ポイント

握手をする製造業の社員

フィールドエンジニアの育成には、高い専門性の習得が求められます。そのため、自社で一から人材を育てようとしても、必要な知識や経験を短期間で身につけることは容易ではありません。
このような課題に対しては、人材派遣や外部委託といったアウトソーシングを活用し、専門性の高いフィールドエンジニアを確保することも、有効な選択肢のひとつです。ここからは、外部エンジニアリソースを活用するポイントを2点解説します。

人材の要件を明確化する

外部エンジニアリソースを活用する際には、まず自社に必要なフィールドエンジニアの要件を明確にしましょう。求めるスキルや経歴、業務範囲などを整理し、具体的なペルソナを設定しておきましょう。現場が本当に求めている人材像を把握することで、ミスマッチのないフィールドエンジニアの採用につながります。

研修・教育プログラムが充実した派遣会社を選ぶ

外部エンジニアリソースを活用する際には、派遣会社選びも重要なポイントです。
研修・教育プログラムが充実している会社であれば、現場で必要とされる知識やスキルを身につけたフィールドエンジニアを派遣してもらいやすくなります。継続的な教育体制が整っている会社を選ぶことで、安定したサポートを受けられるでしょう。

まとめ|装置の性能を最大限に引き出すのは「人」の技術力

製造現場における装置は、年々高度化しています。しかし、どれほど優れた装置であっても、その性能を最大限に引き出せるかどうかは、現場を支える「人」の技術力にかかっています。
フィールドエンジニアという専門人材を、自社だけで育成・確保することは容易ではありません。高度な知識を身につけるには時間がかかるうえ、採用市場でも人材獲得の競争が激しくなっています。
株式会社平山では、フィールドエンジニアの派遣を通じて、生産ラインの安定稼働をサポートしています。研修・教育体制が整った環境で育成されたエンジニア人材を派遣しており、現場が求めるスキルや経験を持つ人材とのマッチングが可能です。
「専門性の高い人材を必要なタイミングで活用したい」とお考えの企業様は、ぜひ一度平山へお気軽にご相談ください。